ハスキューさん!!私の家、築20年なんだけど、最近、光熱費が高く感じてて、何か良い方法はないの?
築20年ていうと、一度見直してみた方が良いですね。まずは、世間一般の平均の光熱費がどれくらいか知っていますか?
いいえ、知らないわ。みんながどのくらい払っているか教えて!!
わかりました。まずは総務省の家計調査で平均光熱水費が公表されているので見てみましょう。
2019年の世帯人口別の平均光熱水費
世帯人数 | 平 均 | 2 人 | 3 人 | 4 人 | 5 人 | 6人以上 |
電気代 | 10,825 | 9,654 | 11,116 | 11,761 | 12,945 | 16,031 |
ガス代 | 4,852 | 4,488 | 5,061 | 5,129 | 5,350 | 5,700 |
他の光熱 | 1,229 | 1,359 | 1,246 | 889 | 1,216 | 1,621 |
上下水道料 | 5,044 | 4,098 | 5,260 | 5,953 | 6,858 | 7,757 |
合計 | 21,951 | 19,599 | 22,683 | 23,731 | 26,369 | 31,109 |
他の光熱:主に灯油等
出展:総務省 家計調査(2019年)
2人以上の世帯の平均は、電気代が10,825円、合計が21,951円。
ご自身の家と比較してどうですか?
ちなみに6人家族の我が家は、オール電化で電気代が月平均約8,000円(310kW)です。太陽光発電の月平均5,000円分を自家消費してるから、電気使用量は月13,000円程度かな。
う~ん、4人家族の私の家は、電気代とガス代合わせて20,000円くらい。。。やっぱり平均より高いわね。上下水道代も8,000円くらいだし、どうしてそんなに高いの?
まずは、電化製品が影響していると思います。特にエアコンやテレビ、冷蔵庫は、10年前の半分以下の電力消費量になっています。あと、最近の新築の家は、すべての電球にLEDを使っているのが大きいです。
電気代について
現在、原子力発電所もほとんど稼働していないことや省エネ賦課金の影響から、原発再稼働がなければ、電気代はさらに上がっていく可能性が高いです。
ただし、原油価格が一気に下落したため、下がる可能性もあり、今後は、電力自由化と地域新電力(シュタットベルケ)に注目し、電気料金の競争が進み、安くなることを期待しています。
水道代について
今後の維持、更新を考えた場合、現状でもぎりぎりの運営をして財政を圧迫している自治体も多くあり、必ず上昇していきます。
電気料金や水道料金も上がっていくみたいだし、困るわね。
電化製品を新しくした方が良いのはわかるけど、何から替えたら良いかわからないし、ハスキューさんのおススメを教えて!!
わかりました。では、一級建築士&FPがおすすめする光熱水費の節約法を工事難易度、初期投資、費用対効果の3点を評価ポイントとしてランキングを紹介します。
第1位:お風呂のシャワーヘッドの交換
おすすめ度 ◎ 初期投資もかからず、効果抜群。古いシャワーヘッドのお宅は交換を。
工事難易度 ◎ 女性も簡単にできます。
初期投資 ◎ 数千円~1万円程度。
費用対効果 ◎ 非常に高い。
第1位は、シャワーヘッドの交換です。もう新しいヘッドに替わっているお宅も多いと思いますが、もし旧式のままでしたら絶対に新しいシャワーヘッドに替えるべきです。
削減効果の試算
一般的なシャワーは1分で10リットルの水を使うと言われています。シャワーを1回当たり10分使うとすると、
4人家族と仮定して、1年間の使用で
10リットル×10分×4人×365日
=146,000リットル=146㎥
使うことになります。
水道料金は、自治体により大きく違うので一概には言えませんが、『令和元年版 日本の水資源の現況(国土交通省)』より、10㎥の全国平均は、1,508円ということから、1㎥150円とすると、
1年間の使用量は、
146㎥×150円=21,900円
節水シャワーの場合、40%程度の節水効果があるので、
21,900円×0.4=8,760円
の水道料金の削減を見込めます。
これに、下水道料金とお湯を沸かすガス代もしくは電気代を含めれば
1年間で1万円以上もの光熱水費の削減が可能です。
おススメシャワーヘッド👇
第2位:家電の交換
おすすめ度 〇 10年以上の古い物があれば是非ご検討を
工事難易度 〇 家電なので大掛かりな工事は不要
初期投資 〇 家電によるが、数万円から数十万円
費用対効果 〇 10年以上前のモデルなら電気代が半分程度になる
家電製品の年間平均電気使用量は、
少し古いデータですが、10年前の家電を使っているとすると、ちょうど良いと思います。
上位4位をピックアップして、年間の電気使用量と電気代(27円/kWと仮定)に直すと、
電気冷蔵庫:使用量656kWh 電気代17,705円
照明器具 :使用量619kWh 電気代16,707円
テレビ :使用量411kWh 電気代11,098円
エアコン :使用量342kWh 電気代 9,227円
家電によって違いますが、電気代は10年前に比べて半分以下になるものもあります。
どれくらい安くなるかは、環境省の『しんきゅうさん』がとても簡単に比較できます。
壊れてから買い替えるでは、取替の期間が使えなくて困る可能性もあります。
また、家電は、3月や9月がモデルチェンジや決算で安くなる等、時期によって価格も大きく変わることからも、是非、計画的な家電交換を心掛けましょう!
第3位:サッシ、窓の交換
おすすめ度 〇 初期投資はかかってしまうが、快適な暮らしをおくることができる。
工事難易度 △ 業者での施工が必要。
初期投資 △ 100万円以上はかかる。
費用対効果 〇 電気代も安くなり、生活が快適になる。
用語の説明 サッシ:窓枠のこと。
日本で一般的なアルミサッシは、欧米では犬小屋にも使わないレベルだと言われるくらい性能が低いものです。中国や韓国でも、日本のアルミサッシでは、基準を満たすことができません。
窓ガラスを変えるだけなら、1カ所数万円~
サッシの取替は、1カ所数十万円~
サッシの取替まで検討する場合は、費用も莫大になり、内装全体のリフォームも併せた検討をおすすめします。
光熱水費のメリットについては、工事の状況により大きくかわり検証ができませんが、快適な生活をおくることができます。
費用を考えれば、改修するとしても、寝室とリビングに限定し費用を抑えるのが一般的です。
また、サッシや窓の取替について、県や市町村で補助金を出しているところも多くありますので、👇で確認して、是非ご活用ください。
※掲載していない補助金もありますので、検討の場合は必ず市町村の住宅関係課にお問い合わせください。
~番外編~
直接建物に関わらないので番外編ですが、節約法として2つ紹介します。
住宅ローンの見直し
人生で最も高い買物の住宅ですが、ほとんどの方が30年以上のローンを組んでいると思います。
ご自身の今月のローン金利を把握していますか?
現在の変動金利は、0.5%~1.0%程度です。
金利が1.5%以上で借りている方や、フラット35で10年経って優遇が終わりそう、という方は、是非ローンの借り換えもご検討を。
100万円以上得する方が続出しています。
今後の、金利動向はだれもわかりませんが、時代を考えれば大きく上がることはとても考えられません。
コロナショックもあり、経済状況はさらに厳しくなり、その上がる可能背はさらに減ったと言えます。
一度固定金利で決めたから安心!ではなく、さまざまなご検討をしてみてください!
電力会社のプラン見直し
2016年に電力自由化が始まり、多くの会社が電力事業に取り組んでいます。
2019年からは太陽光発電のFIT制度終了住宅が増えることにより、さらに参入企業は増えていくことが予想されます。
自治体によっては、地域新電力(シュタットベルケ)を取り入れて、自治体と企業が共同出資した電力会社をつくり、FIT制度終了後の電力を買って電気の地産地消を進めているところも出てきています。
一般家庭では、大手電力会社と新電力会社は大きく差は出ない傾向ではありますが、
是非一度こちらで比較検討してみてください。
まとめ
電化製品も『しんきゅうさん』で調べて検討してみるわね。こんなに良いホームページを環境法が出しているなんてびっくりしたわ。
節電や節水は、一人一人の積み重ねが大切です。電化製品や建物のハードだけじゃなくて、家族みんなで省エネに取り組んで、家計にも優しくて地球にもやさしい生活を心掛けてください。