あなたは電気代は毎月どのくらい払っていますか?
2016年4月からの電力自由化により、新電力会社が市場に入り、電力の競争が始まりました。
それによって、既存の大手電力会社においても、東日本大震災から上がり続けてきた料金プランの見直しがされ、お得なプランが増えています。
本記事では、大手電力会社の料金の比較をしながら、電気料金について考えていきたいと思います。
既存の大手電力会社の電気料金プラン
従量電灯を中心としたスタンダートプランの一覧が以下のとおりです。
調査日:令和2年6月10日
条件:①基本料金は60A契約相当
②再エネ賦課金は、2021年4月までの数値
③燃料費調整費は令和2年7月分
基本料金 | ~11 kW |
~15 |
~120 |
~280 kW |
~300 kW |
300 kW~ |
再エネ賦課金 | 燃料費調整費 | |
北海道電力 | 2,046円 | 23.98円/kW | 30.27円/kW | 33.99円/kW | 2.98円/kW | -2.17円/kW | |||
東北電力 | 1,925円 | 18.58円/kW | 25.33円/kW | 29.28円/kW | -1.17円/kW | ||||
東京電力 | 1,716円 | 19.88円/kW | 26.48円/kW | 30.57円/kW | -2.44円/kW | ||||
北陸電力 | 1,452円 | 17.85円/kW | 21.74円/kW | 23.45円/kW | -0.27円/kW | ||||
中部電力 | 1,716円 | 21.07円/kW | 25.54円/kW | 28.49円/kW | -3.56円/kW | ||||
関西電力 | なし | 341円 | 20.32円/kW | 25.8円/kW | 29.29円/kW | -40.8円-0.18円/kW | |||
中国電力 | なし | 227円 | 20.79円/kW | 27.47円/kW | 29.59円/kW | -187.65円-0.83円/kW | |||
四国電力 | なし | 411円 | 20.37円/kW | 26.99円/kW | 28.3円/kW | -109.01円-0.90円/kW | |||
九州電力 | 1,782円 | 17.46円/kW | 23.06円/kW | 24.96円/kW | -0.94円/kW |
電力会社によって、基本料金の考え方などが違いますが、概ね1kW当たり20円~30円となっています。
現在は、再エネ賦課金として、全国共通で2.98円/kWが上乗せされています。これは、再生エネルギーを推進するために、全国民で負担し、太陽光発電の売電価格の上乗せ分などを賄っています。
電力会社ごとの比較
電力会社ごとに電気使用量別に電気料金を算出し、グラフ化しました。
概ね、東日本の方が料金が高く、西日本の方が低い傾向があります。ただし、九州電力は西日本の中では、高くなっています。
これは、関西電力、中国電力、四国電力は、基本使用料が概念がない(低額での固定料金はあり)ことが影響しています。
原子力発電所があれば電気料金は安い?
原子力発電所を稼働するべき理由の一つに電気料金が下がることがあげられます。では、実際に電気料金は下がっているのでしょうか?
現在の原子力発電所の稼働状況がこちらです。
大手電力会社ごとの一覧にすると
稼働済み原子炉基 | |
北海道電力 | 0基 |
東北電力 | 0基 |
東京電力 | 0基 |
北陸電力 | 0基 |
中部電力 | 0基 |
関西電力 | 4基 |
中国電力 | 0基 |
四国電力 | 1基 |
九州電力 | 4基 |
電気料金をみると、一概には言えませんが、原子力発電所が稼働している方が、電気料金が安い傾向にはあります。
ただし、最も電気料金が安い中国電力は、原子力発電所は稼働していません。
オール電化プラン(時間帯別プラン)の状況
オール電化プラン(時間帯によって料金変動)については、電力会社によって、内容が大きく違います。
ここでは、最も高い料金(夏季の昼間時間)と最も安い料金(夜間)を比較したいと思います。夏季や冬季で料金を変えている会社もありますが、最も高い料金を掲載。
調査日:令和2年6月10日
プラン名 | 基本料金 | 電気料金 | |||
昼時間 | 生活時間 | 夜間 | |||
北海道電力 | エネとくスマート | 396円/kW | 27.06円/kW | 17.64円/kW | |
東北電力 | シーズン&タイム | 1,980円(10kVA) | 43.14円/kW | 26.73円/kW | 11.43円/kW |
東京電力 | スマートライフL | 286円/kW | 25.80円/kW | 17.78円/kW | |
北陸電力 | くつろぎナイト12 | 1,650円(10kVA) | 34.95円/kW | 25.07円/kW | 12.51円/kW |
中部電力 | スマートライフL | 1,487円(10kVA) | 38.71円/kW | 28.52円/kW | 16.30円/kW |
関西電力 | はぴeタイムR | 2,200円(10kW) | 28.96円/kW | 22.89円/kW | 15.20円/kW |
中国電力 | 電化スタイル | 1,650円(10kW) | 32.68円/kW | 30.62円/kW | 14.87円/kW |
四国電力 | でんかeプラン | 8,637円 | 料金設定が特殊すぎて比較対象外 | ||
九州電力 | 電化でナイト | 1,650円(10kW) | 26.84円/kW | 13.21円/kW |
昼間の料金は概ね、35円程度、夜間料金は概ね15円程度でした。
まとめ
大手電力会社の電気料金を比較しました。
原子力発電所の稼働がされていれば料金は下がる傾向がありますが、あまり大きな差はないように感じました。
原発が4基稼働している九州電力(停止中もあり)では、太陽光発電の出力制限がたびたび行われていますが、料金が安いというわけではありません。
太陽光発電や蓄電池がどれだけお得になるかは料金プランによりますので、導入の際には、自分の料金プランをしっかりと理解して検討をしましょう。