住宅選びは順調に進んでいますか?
いまは、構造をどうしようか悩んでいるんだけど、木造も木の温もりがあって良いし。鉄骨造も強そうだし、何が良いのか本当にわからなくなっちゃって。
構造は、建築会社の得意不得意もあるので、建築会社選びには大変重要です。いっしょに考えていきましょう。
構造別のメリット・デメリット
一戸建て住宅で用いる構造は、大きく分けると木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(以下RC造)に分けられます。
はじめに、構造別の特徴からいきましょう。
まずは、工法としてそれぞれの構造を細分化し、分類と概要、主な建築会社と合わせ一覧にしたものが下の表です。なお、在来木造は正式名称は、「木造軸組構法」です。
上記の工法ごとのメリットとデメリットをまとめました。
へ~、細かく分けるといろいろあるのね。でもたくさんありすぎて余計にわからなくなった感じだわ。
そう言われちゃうと困っちゃいますが、まずは、何があるか頭の中を整理してくださいね。
工法ごとの性能比較
次に、工法ごとに性能や価格などをランク付けたので、比較してみてください。
(注意)あくまでも、上記指標の中で、一定の基準で点数付けしたもので、私の主観ですので、あくまで参考程度としてください。
これなら比較しやすいわね。やっぱり鉄骨造や鉄筋コンクリ―トの方が良いのかしら。
性能だけで比較すると、やっぱりそうなってしまいますね。でも、価格や施工してくれる業者の多さなど、総合的な判断をしてください。
では、それぞれの評価を解説していきます。
価格
価格は、木造が最も安く施工が可能です。在来RC造が最も高額で、重量鉄骨も高いです。ただし、鉄骨造とRC造は火災保険料が安くなるので、火災保険料も踏まえた検討も必要です。
工期
工期は、工場生産の方が、現場で組み立てるだけですので、早期の完成が可能です。在来RC造は半年以上の工期を見込む必要があります。
耐震性
耐震性は、在来木造は、仕様にもよりますが、木の品質のバラツキも含めて、信頼性が劣る部分があります。RC造については、住宅だと壁が多くあるため、かなり強い構造と言えます。
断熱性能
断熱性能は、構造や工法より、断熱材をどれだけ入れるかによりますが、建物の構造体としては、RC造が最も断熱性能が高いです。鉄骨造は、鉄の部分が断熱性能が低いため、△としていますが、外断熱などの対応により、十分な断熱性能を確保することは可能です。
遮音性
遮音性は、RC造が高性能という実証がされています。木造は、どうしても音には弱い傾向があります。
耐火性、防火地域
耐火性能は、木造は低く、RC造は高いです。防火地域での建築は、耐火建築物や準耐火建築物にする必要があり、木造だと規定がかなり厳しくなるため、△となっています。
設計自由度
プレハブ工法の工場生産は、規格としてブロックごとに決まりがあるため、設計自由度は低くなります。逆に在来工法は、制約が少なく自由な設計が行えます。木造については、大きな制約はありませんが、4m以上の空間をつくるには大断面集成材や鉄骨などの特別な技術が必要となります。在来RC造と重量鉄骨造については、大空間も簡単に対応可能のため、自由度は最も高いので◎としています。
意匠性(見た目)
意匠性(見た目)は、外壁がタイルなど重厚感が出る在来RC造と木の温もりを感じることができる在来木造が◎となっています。
増改築のしやすさ
プレハブ工法は、増改築には制約も多く、評価を下げています。法改正によっては、増築ができなくなる可能性もあります。在来工法が増改築の面ではかなり優位です。
将来負担費用
RC造は、解体時に費用が高くなることと、外壁補修などに費用がかかるため、×としました。また、木造は耐用年数としては、低いため△としています。
品質確保
品質確保は、プレハブ工法が優れています。在来木造は、様々な職人がいるため、安定性という意味で△としていますが、あくまで比較ですので、管理をしっかりすれば大きく劣るというわけではありません。
総合評価
重量鉄骨造と在来RC造が点数的には高くなりましたが、コストを度外視すれば、建築士としても重量鉄骨造とRC造の方が、構造、意匠、品質等、さまざまな面で優れていると言えます。
しかし、住宅で重量鉄骨造やRC造で建てる人は、よほど住宅建築に対して思いが強い人か大金持ちだけです。
実際に建てる際には、コストや品質、将来性など総合的な判断が必要です。
こんな人には○○工法がおすすめ
では、要望に応じた工法のおすすめランキングを造りましたので参考にしてください。
①高くても良いから、できるだけ良い住宅がほしい!
第1候補 在来RC造
第2候補 重量鉄骨造
第3候補 プレキャストRC造
②とにかく安く造りたい
第1候補 在来木造
第2候補 2×4工法
第3候補 プレハブ工法(木質系)
③とにかく地震に強い家にしたい
第1候補 プレキャストRC造
第2候補 在来RC造
第3候補 重量鉄骨造
④品質の確保された安心の住宅を建てたい
第1候補 軽量鉄骨造(プレハブ工法)
第2候補 プレハブ工法(木質系)
第3候補 プレキャストRC造
⑤将来的に増改築しやすい家にしたい
第1候補 在来木造
第2候補 重量鉄骨造
第3候補 在来RC造
⑥木にかこまれた温もりのある家に住みたい
第1候補 在来木造
これは参考になるわ!!わたしは、価格も重視して、将来的に自由度がある在来木造がやっぱり一番良いわね!
まとめ
それぞれの工法の特徴やおすすめの工法をまとめました。
工法には、それぞれの特徴がありますので、一概にどれが良いということは言えません。
ご自身の希望が何なのか、どんな家にしたいのか、をしっかりと整理してから、それぞれの情報を見比べながらご検討ください。