リニアはどうなる?静岡県との間で何が起こっているのか

『リニアモーターカー』

その歴史は長く、1962年頃には、日本での研究が始まり、1970年の大阪万博で広く知られるようになり、夢の乗り物として期待され続けてきました。

2005年には、愛・地球博に合わせ、日本初の磁気浮上式リニアモーターカー(HSST方式)の常設実用路線として、「リニモ」が開通。

みんなが期待していた時速500kmを超える高速移動のイメージとは大きく違い、時速100km(万博開催時は安全面からもっとノロノロ運転)と残念でしたが、初めて乗った時のこれからの未来への期待感は今でも覚えています。

その後、東日本大震災の直後の2011年5月にJR東海が自己資金で工事費9兆300億円(当時)という莫大な投資を行い、リニア中央新幹線の整備をすることを発表し、大きく動き始めました。

JR東海は、国土交通省の工事実施計画の認可を受けている品川・名古屋間を2027年の開業目標とし、リニアモーターカーが日の目を浴びてから半世紀以上、いままさに実現しようとしています。

参照:リニアの歴史(山梨県立リニア見学センター)

しかし、静岡県との協議が期限までにまとまらず、2027年までの開業は難しくなりました。

静岡県民、流域住民として、静岡県とJR東海の間に何が起きているのか、探っていきたいと思います。

リニア中央新幹線工事における大井川の流量減少問題

現在、JR東海と静岡県の交渉が難航しているのが、大井川の流量減少問題です。

※リニアによる水問題は水質悪化や生物多様性問題も抱えていますが、本記事では、最も主要な議論となっている流量減少問題を取り上げています。

この流量減少問題は、2013年末ごろから騒がれ始めてきました。

リニア工事により最大毎秒2tもの水量が減ることがわかり、JR東海は、2014年4月の環境影響評価(アセスメント)の知事意見を踏まえ、大井川の減少分をポンプアップにより戻すと主張しました。

しかし、水量は季節やその時の雨量により違い、減少分の根拠が明確にできないため、静岡県は全量戻すということを主張し続けました。

そのかいもあり、4年後の2018年10月にやっとJR東海は、湧水の全量を戻すことを表明しました。

ここで問題は解決したかに思われましたが、2018年11月の県の有識者会議で、工事中の県外への水の流出の可能性が指摘され、2019年8月に「一定期間の工事中は湧水が戻せない」とJR東海が発表しました。

JR東海は、

「工事中は全量を戻すことはできないが、大井川の流量減らない。」

静岡県は、

「大井川の流量が変わらなくても、地下水が減り下流域の水源に影響が出る」

と主張し合い、協議は平行線となってしまいました。

事態を重く見た、国土交通省も仲介に入り、JR東海も補償方針を示すなど、一定の進捗はありましたが、有識者会議の議論を待つかたちとなっています。

一方、JR東海としても、2027年の開業には、令和2年6月中の準備工事着工が条件であると発表し、令和2年6月26日に静岡県・川勝知事とJR東海の金子社長の初めてのトップ会談となりました。

JR東海のここでの主張は、

「トンネルを掘るわけではないので、処理設備などの準備工事を進めることを認めてほしい」

ということです。

それに対して静岡県は、

「当初計画の4.9haを超える工事は、本体工事の一部であり認められない」

という回答をしました。
(内容がわかりづらく、JR東海が会談後文章での回答を求めるなどいろいろありましたが・・)

これは、県の独断というわけではなく、トップ会談に先立ち行われた大井川流域の10市町の首長会議で、準備工事をすることによって、なし崩し的に本体工事が始まることを懸念し、出した結論を、JR東海に示したということになります。

この回答を不服として、JR東海は、再度

「去年5月にもらった文書案と整合性がない」、「県の考え方が変わった」

として、質問書を提出したところです。(令和2年7月6日現在)

これで、2027年開業が実質不可能となり、今後は、まずは国土交通省の有識者会議の結論を待つことになります。

《7月9日追加》
国土交通省より、静岡県とJR東海に打開案を提案することになりました。
リニア着工遅れ、国交省が静岡県とJR東海の双方に打開策提案(読売新聞)

静岡県へは
『準備工事(ヤード工事)の着手を認めること』

JR東海へは
『準備工事をしたとしても、有識者会議の結果を尊重し、計画の変更をすること』

静岡県としては、頭の中には、国の有識者会議の如何によって、ルート変更を主張したいという考えがあり、準備工事を始めてしまうと、ルート変更のハードルがさらに上がってしまうため、反対しているということがあります。

それを踏まえながら、国土交通省は打開案としたと推測されます。

膠着するリニア静岡工区問題に国が乗り出す…静岡県は準備工事再開の容認を | レスポンス(Response.jp)
国土交通省は7月9日、リニア中央新幹線静岡工区におけるヤード準備工事再開の可否について膠着状態が続いている静岡県とJR東海に対して、「リニア中央新幹線静岡工区に係る国土交通省提案」を行なった。

上記記事画像の青色がすでに完了している部分で、赤色と黄色が今回JR東海が要望している範囲で、赤と黄色の部分で工事期間が3ヵ月程度かかるということです。

私としては、ここで国と県の関係に遺恨を残すならば、ここまで工事が進んでいる状況と後に影響が出ない担保があるならば工事着手を認めるのも一つの方法だと思います。

ただし、3ヵ月程度の工事にJR東海と国土交通省はなぜここまで固執するのかということが気になるところです。有識者会議を待っていてもそんなに影響がないのではと思ってしまいますが、調べる限りではわかりませんでした。

《7月10日追加》

静岡県知事と国土交通省事務次官の会談が行われました。予想通り、川勝知事から国土交通省の提案を明確に否定しました。

静岡県の主張は、

「準備工事の着工を認めれば、なし崩し的な工事着手の可能性があるから認めない」

に対して、国土交通省は、

「なし崩し的な工事着手はさせないから認めてほしい」

です。会談を見る限り、工事の安全性なども訴えていましたが、結局はいままでの対応の不信感から反対しているという印象でした。

流域市町も意見が割れているようです。事務次官も流域市町に直接話を聞きに行きたいと言っていましたが、やはり、今後は流域市町の首長の動向に注目です。

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有識者会議での水問題の経緯はこちら
⇨⇨⇨【資料1-2】大井川水資源問題に係る経緯

静岡県が発信する経緯はこちら
⇨⇨⇨リニア中央新幹線建設工事に伴う環境への影響に関する対応(静岡県HP)

JR東海と静岡県

静岡県を横断する東海道本線を持つJR東海は、全国のJR各社の中でも最も多くの経常利益をあげ、最優良企業とも言えます。

国鉄時代から多くの課題や問題を抱えながらも、まちづくりにとって最も重要な公共交通機関として、静岡県とJR東海は持ちつ持たれつの比較的良好な関係を築いてきました。

しかし、長年大きな問題となっているのが、富士山静岡空港新幹線駅(以下、空港駅)の新設です。

富士山静岡空港新幹線駅とは

富士山静岡空港は、1987年に事業が決定し、2009年に開港した静岡県島田市と牧之原市の境にある空港です。

上の地図を見てのとおり空港の真下には東海道新幹線が走っていて、空港駅の新設を静岡県は長年訴えています。しかし、既存の駅である掛川駅と近いことや技術的問題からJR東海は断り続けてきました。

そこに勃発したのが、このリニア中央新幹線による水問題です。

リニア中央新幹線と富士山静岡空港新幹線駅

一部報道などでは、静岡県(静岡県知事)は「空港駅を新設してくれない腹いせに反対している」とか「空港駅の新設を条件にするためゴネている」と言われますが、それとこれは全く別の話です。

事の発端は、2014年1月の大井川流域の7市2町が静岡市と静岡県あてに「住民生活や産業活動にとって重大な懸念材料」として大井川の水量減少問題の要望書を提出したことから始まります。(出展:静岡新聞2014.1.7

静岡県の令和2年度予算についても、いままで6年間つけていた空港駅の調査予算もなくなりました。これは、リニアの議論が空港駅の取引材料にされるのを嫌ったという見方もあります。(出展:静岡新聞2020.1.25

また、JR東海は2010年5月の中央新幹線小委員会で、リニアの開業により「東海道新幹線の新駅設置の可能性が広がる」と説明しています。

リニア中央新幹線と空港駅はたしかに密接な関係にはありますが、議論としては、全く別物として考えていく必要があります。

リニア中央新幹線による静岡県のメリット

さらに一部で、

「リニアは静岡県に何もメリットがないから、腹いせに反対している」

と主張する人がいます。

これは、全く違います。

リニア開通は静岡県にとっても大きなメリットとなります。新幹線の新駅はどうなるかはわかりませんが、のぞみが減ることにより、こだま、ひかりの増便やこだまの駅での待機時間の減少が考えられます。

静岡県にとって、新幹線の利便性が上がり大きなメリットと言えます。

川勝知事もリニア自体には賛成と言われるように、静岡県民も多くの人が反対していません。
ただし、コロナの影響もありリモートワークが進んだ未来を考えたときに本当にリニアは必要とされるのか、大量の電気を使って海外に技術を売る見込みがないのに本当に利益は出せるのかなどという意見は出ていますが・・・

リニアが静岡を通らない腹いせに、静岡県がリニアを止めようとしているというのは絶対にあり得ない話で、あくまでも命の水の担保ができていない以上、認めることはできないということをご理解ください。

静岡県知事川勝平太

川勝知事は、総じて温厚で従順な静岡県民からすると異質な存在とも言えます。

履歴はウィキにあるように、大阪府生まれの京都育ち、早稲田大学の政治経済学の学者です。

縁があって、静岡文化芸術大学(公立)の学長になり、石川嘉延元静岡県知事のブレーンとして手腕を発揮することになりました。

静岡文化芸術大学の学長になるために静岡に来て(知事になるまでの住所は長野県軽井沢だが)2年で県知事となりましたが、静岡県民の支持は厚く、現在3期目で、来年2021年7月までが任期となっています。

自民党とは、すこぶる仲が悪く、静岡県議会自民党議員に対して「ゴロツキ」と呼ぶなど、たびたび衝突をし、批判合戦もおきています。
出典:「ごろつき」発言、撤回して謝罪 静岡県知事、自民質問状に回答(静岡新聞)

また、田辺信宏静岡市長とも多くの衝突を起こし、県民、市民を不安にさせています。

良くも悪くも、発信力は強いですが、敵も多い知事と言えるでしょう。

次期静岡県知事は?

前述のとおり川勝知事の任期は2021年7月です。

いままでの選挙結果は以下のとおりです。

  1期目
(2009年)
2期目
(2013年)
3期目
(2017年)
川勝知事 728,706票 1,080,609票 833,389票
次点(自民系) 713,654票 345,617票

563,316票
(自民の推薦なし)

15,052票 734,992票 270,073票
惜敗率 97.9% 32.0% 67.6%

与党である自民党は、国の言うことを聞かない川勝知事を変えようとさまざまな動きがありましたが、選挙にも強く、現在3期目となっています。

2021年選挙時には、72歳になることからも次回立候補するかどうかは全く不透明です。

残り1年で、リニア問題もどうなっているかわかりませんが、静岡県は浜岡原発の再稼働という大きな問題も抱え、今後、国の審査が終わればさまざまな議論を必要とし静岡県知事の如何によって大きく情勢が変わってくることと思われます。

大井川流域住民の主張

大井川の水を使っている住民は、8市2町の約60万人とされています。

茶園が広がる牧之原台地を始め広大な農地、多くの企業で使用し、その地で住む人々が生活ための大切な水です。

ただでさえ、近年の気候変動により、渇水が頻発し、節水対策が行われている。

前述したように、「リニア駅がない腹いせ」や「空港駅の取引材料」など、さまざまな憶測がでていますが、素直に、大井川の水を使っている住民の立場に立てば、工事中だけだとしても水が確保できない可能性があるならば、簡単に認めることはできません。

私は土木工学に詳しいわけではありませんが、建築構造の技術者としても、最大2t/秒の水が失われるのは最悪の想定であり、その可能性はかなり低いとは思います。

想定も、「覆工コンクリート等がない条件」として算出しているので、実際には防水シートでの止水などを行えば、失う水量が減るのは明らかです。

ただし、土の中のことは想定外のことが多く、掘ってみないとわからないというのが正直なところでしょう。

有識者会議でどういう結論が出されるかわかりませんが、想定される最大の減少量とその対処方法(補償も含めて)が示されなければ、流域住民、流域市町が認めることはないと思われます。

静岡県がここまで反発するのも、土木工事により2回の苦い経験をしていることも影響しています。

苦い経験① 丹那トンネル(田方郡函南町)の水枯れ

👆👆出典:特集80年前そして現在(函南町平成26年5月広報誌)

東海道本線熱海~函南駅にある丹那トンネル(1934年・昭和9年完成)のある、丹那地方は、丹那トンネルができる前は、水源がとても豊かで、ワサビ田や水田が広がっていましたが、丹那トンネルの工事中にすこしずつ水が枯れ始め、大きな問題となりました。

最終的に、国鉄が責任を認め、莫大な補償などを得たものの水は無くなり、ワサビやお米の産地だった丹那盆地は、酪農に舵を切らざるを得ないこととなりました。結果的には、地元住民の努力により丹那牛乳として有名な地方となっています。

トンネル工事により失った水は、1日10万t(毎秒1.1t)程度あるのではと考えられています。(出典:上述広報誌より)

苦い経験② 松葉の滝(掛川市)が枯れる

1999年、新東名高速道路建設における粟ヶ岳トンネル工事中に出水が発生し、周辺地域の沢が枯れ、簡易水道が断水しました。

観光名所である松葉の滝も一時水が無くなり、止水などの対処により3割ほど水も戻りましたが、現在も完全回復には至っていません。

松葉の滝(掛川市HPより)

工事により水が減る可能性は一切周知されておらず、交渉の余地がほとんどありませんでした。

この教訓からも、事前のしっかりとした協議と補償のルール決めを求めています。

出典:大井川とリニア 水と生きる(下)新東名で水枯れの教訓(静岡新聞)

山梨県でのリニアトンネル工事での実際の水枯れ

山梨県笛吹市にはリニア実験線があり、実際にリニアが走っています。

2008年、トンネル工事が進むと、約1キロ離れた農業用水路の水がかれてしまいました。その他にも地域によっては生活のための簡易水道が出なくなったりと大きな影響がでています。

JR東海は、ポンプアップにより途中から戻したり、補償等をおこなっていますが、元にもどることはないのです。

こちらの記事を参考に
⇨⇨⇨水のない川、干上がった田 山梨で起こった“異変” リニア工事で“水枯れ”は起こるか?(水源連)

JR東海の補償方針

JR東海は、令和2年3月6日付で、静岡県に補償方針を示しています。

その内容は、

 ・補償請求の受付期間は無期限とする

 ・補償費算出の対象期間は無期限とは言えない

 ・工事と水利用への影響の立証については国の専門家会議の議論を踏まえ検討

です。

水資源の問題は、まずは『影響の回避』をすること。その次に、『低減』ができないかを考えて、最終的に『補償』を考える必要があります。

流域市町の一部首長からは、議論を尽くしていないのに補償の話をJR東海から出されたことに批判的意見が出ていましたが、補償内容をみてみれば、国の基準(国は5年~30年の補償等)より厚い補償となっており、現時点での十分な回答を得ているのではないでしょうか。

前述したとおり、掘ってみなければわかりません。もしかしたら一切水が減らない可能性もあります。

有識者会議でも、影響が一切出ないという結論は絶対に出せません。もし起きたときのことを想定して事前に、補償について協議することは大変重要です。

有識者会議では、補償どうこうではなく、専門的見地から十分に議論頂いて、出た結論からJR東海と静岡県は建設的な議論をしてもらいたいです。

また、流域市町も感情的な部分が影響しているとも考えられるので、日本の将来を見据えた人々が幸せになる結論を出してほしいものです。

掘削工事中の水量減少問題

現在想定される最悪のケースで、トンネル工事により2t/秒水が減ると推測されています。

また、第3回有識者会議の資料によれば、掘削工事中(10か月継続)に想定(0.08㎥/秒)以上の水が減少すれば、流量減少量が想定を超えるリスクがあるとしています。

10か月間という有限の期間であることからも、この点については、技術的対処ができないならば、企業や農家等で我慢しなければないところが出てくるだろうが、一部補償を行い、対処すれば水量減少の点では、問題ないのではないでしょか。

ただし、水質や生物多様性については別途議論が必要です。

どこまでが準備工事なのか

処理施設等の準備工事は、本体工事なのかどうかという議論ですが、これは許可権者の静岡県の裁量の範囲とも言えます。

静岡県自然環境保全条例で、5ha以上の開発行為を行うときは、自然環境保全協定を結ぶこととなっています。⇨⇨⇨自然環境保全協定について(静岡県)

実は、現在も4.9haの準備工事は始まっていますが、5ha以上になると協定が必要になります。

前述したとおり、JR東海としては、掘らなければ本体工事に当たらずそれまでの準備工事を進めさせてほしい主張しましたが、静岡県は、当初計画の4.9haを超える体工事は、本体工事と一体的に行うもので準備工事ではないと回答し、6月末の期限までに着工できませんでした。
⇨⇨⇨静岡県の回答書

この判断は、考え方としてはどっちも間違いではなく、静岡県の裁量の範囲とも言えます。

基本的な回答は、本体工事にとって、なくてはならないものを造るのであれば、本体工事に入るというのが正しいでしょう。

例えば、建築工事で言えば、「地盤改良工事は建物を建てるわけではないから準備工事として確認申請をする前に行っても良いか?」と聞かれれば、回答としては『NO』になります。

しかし、今回のようなケースにおいて、相談者の実情を見ながら、掘削するのでなければ準備工事として行っても良いですよ、という回答もあり得ると思います。

そのあたりが「県が考え方を変えた」となってしまった要因の一つとも言えます。

個人的には、JR東海が掘削工事には手を付けないことを確約しているので準備工事として着手を認めても良い(準備工事としての5ha以上の協定は必要ですが。)のでは、と考えてしまいますが、今回については、回答書を読む限りは静岡県の回答はすじが通っていると言えるでしょう。

準備工事と本体工事を切り離して、2つの開発行為として話をしていて、4.9haの開発行為を許可を取らずに行っている中で、濁水処理施設等の工事を準備工事として見なすのは難しいのではないでしょうか。

県の回答を見る限りは、まずは協定不要ギリギリの4.9haの工事を行って、あとで増やせば良いという手法を取ったJR東海の判断ミスがあったのかもしれません。

当初から、掘削直前までの工事を準備工事として、協定を結んでおけばこのような事態にならなかったと言えます。まぁ県からは、こういう風にやれば、2回も協定を結ばなくて良いという方向での話をしていた可能性は高いと思いますが・・・

今後はどうなる?

まずは、有識者会議の結論を待たなければなりません。

現在、流域市町とJR東海の直接の交渉は認めずに、流域市町は静岡県に交渉を委ねています。

しかし、住民の声として、流域市町の考えが最も重要になります。

住民は、補償が欲しいと考えているわけではありません。

まず第一に、

「何も影響がでないように対処してもらうこと。」

次に、

「影響が出るならば、少しでも影響が少なくなるように対処すること。」

最後に

「生活に影響がでないように補償してもらうこと。」

です。

もしも、
住民の自宅での生活に影響が出るような状況ならば

ルートを迂回するしかありません。

JR東海の主張としては、トンネル工事完成後は、トンネルの湧水を全量戻すとしているため、基本的には影響は出ないと考えられます。

工事中については、技術的に全量を戻すことができないということですが、期間も有限であるため、企業や農家に影響が出た分の補償をして対応すれば良いと思います。

しかし、自然が相手であり、想定外のことが起こる可能性は十分にあります。

住民の生活に影響が出ないことを担保し、有識者会議の結果を踏まえて交渉をしていく必要があります。

流域市町としての最も良い結論は、計画変更をして長野県側に迂回することではありますが、何かしらの影響が出る可能性が0.1%でもあるならば認めないということならば、世の中の事業は何もできなくなってしまいます。

JR東海の金子社長も迂回の可能性について、否定はしていない(※2020/1/23静岡新聞)ことからも、今後、流域市町としては、大変難しい判断を迫られることになります。

《7月19日追加》
⇨金子社長は、7月15日に「ルート変更はありえない」と発言されました。(※2020/7/15毎日新聞

どちらにしろ、有識者会議の結果がでなければどうしようもないという状況と言えるでしょう。

まとめ

リニア中央新幹線の大井川水量減少問題についてまとめました。

流域住民にとって、リニア駅がないことによる「はらいせ」とか「いやがらせ」という意識は一切ありません。

水は、人間の生活にとってなくてはならないもので、水が減れば、生活に影響が出るのは明らかです。

生活に影響がないためにはどうしたら良いのか?流域市町はそれを主張しているだけです。

まずは、有識者会議の結論がでてからということになりますが、日本の将来にとって最も良い判断ができるように流域住民の一人として考えていきたいと思います。

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